ゆらり庵blog

 
つかれたらおいで、癒しがあるから。新しいこと始めたくなったらおいで、仲間がいるから。
語りたくなったらおいで、話を聞くから。「おかえりなさい」が、待ってる場所。--ゆらり庵

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*おか*
新今宮で降りると
駅のすぐそばにある簡易宿泊所にチェックインした。住所も何もいらずただお金を支払い、おかだですと言うだけでよかった。
10数階だての建物のなかにはおびただしい数の部屋がずらりと並び、所々壁も凹みどこか殺伐としていた。
924号室に入ると3畳間に布団が敷いてあり、他にはテレビと小さな冷蔵庫が置いてあるだけだった。
他に何もすることが無いのでとりあえず横になる。隣の人の息づかいまで聞こえてきそうな程壁は薄い。「こんなとこで俺は一体何をしているのだろう」と自問する。もし火星人が「地球人の生活」と題して自分の様子を観察しているとしたら、火星人も「このおとこは一体何をしているのだろう」と不思議に思うにちがいない。匿名性に包まれた小さな部屋の中で布団にくるまりながら、ただ自分を自嘲的に笑うしかなかった。

夜中になると誰かがドアをガンガンと叩き、無理やりこじあけようとしていた。めんどくさいので寝たふりをしてやりすごす。道路では暴走族が走りまわり、部屋の中は冷蔵庫の音で異常にうるさかった。


朝になってシャワーを浴び、荷造りをしていると、隣の部屋から「ベーン」とこの殺風景な部屋におよそ似つかわしくないほど鮮やかな音が聞こえてきた。

(ん?三線の音か?)と思っていると。

しばらくして島唄の演奏が聴こえてきた。
一曲演奏しおわると、
那賀ヨ〜節、ちんさぐの花と続く。

‘ちんさぐの花で爪さきを染めるように、親の言うことは心に染めなさい。’

しばらくその音色に耳を傾ける。
三線の音色が心に染みて胸が心地よく痛んだ。

12:38 | 4.おかのくすり笑い | comments(0) | trackbacks(0) | ゆらり庵
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